サコダ小水力設計は、小水力発電コンサルタントとしてエコで自然に優しい小水力発電への関心が高まる中、導入に際しての技術検討や複雑な法規制のしくみなどに戸惑い、足踏みされている方々からのご依頼に応じて、小水力導入に際しての基本設計や事業性評価を行い、最適な小水力発電施設導入のご提案を致します。FIT制度もいつまで続くのか分りません。事業者は決断する時です。
私が行っている小水力発電事業コンサルの地点情報については、限られた方(自治体や事業者など)にしか具体的な地点名や位置、スペックを公開しておりませんが、先日発足した奈良県東吉野村さんの「東吉野村小水力利用推進協議会」が目指しておられる「旧筑波峰発電所」についてご紹介するとともに、今後もご支援して行きたいと思っております。
旧筑波峰(つくばね)発電所の諸元(サコダリストより)
・水系 :紀ノ川水系日裏谷川
・最大出力 :45kW
・最大使用水量 :0.07m3/s
・有効落差 :101.60m
・建設 :大正3年2月 吉野水電(昭和38年廃止:老朽化)
この地点は春先に現地調査に行っており、取水地点や発電所の位置や状態は把握しておりました。
超概略検討では事業性はそこそこ。
問題は地域や事業者の有無とやる気だと思っていました。
その後、とある会社を通じて地域の方々がこの旧発電所の再生・復活に取り組みたいと考えておられると聞き、またご依頼により現地も再調査立ち会い致しました。
そして今月協議会が発足され、旧筑波峰発電所も含めた小水力へ取り組まれるとのことで、大変御目出度いことと存じます。
現地状況などを見た上でサコダとしてご提案したいのは、旧筑波峰発電所のスペックを守って、無理な出力増はしないなどの計画をして頂きたいと思います。
最近の小水力設計の流れとしては、ポリ管を使用した水圧管を林道などに埋設して発電所に導くパターンがありますが、ポリ管の施工費は結構高くつくので、距離が長くなると不経済になることが多々あります。
筑波峰地点で試算したところその通りで、旧導水路を旧使用水量のまま再利用した方が良いとの結果が出ました。
何故不経済になったのか?
ポリ管を水圧管として使用する場合、まずは内圧用の高価なポリ管を選択した上で、損失水頭を最小限化するために流速を低くする必要があります。
その結果、ポリ管の口径が太くなると掘削などの土木工事費用も増えポリ管の施工費と合算するととてもペイ出来なくなります。
ポリ管は安いというイメージがありますが、ポリ管には安価な外圧用ポリ管と高価な内圧用ポリ管があることを知っときましょう。
コストを下げる方法は、
絶対に導水路の復活方法ですね。
幅・高さとも45cm程度の水路なので、長期間の未メンテナンスによる破損や土砂堆積箇所などを地域の有志が集い修繕すれば、それだけでイニシャルが下がります。地域の土木工事屋さんに協力して頂ければ成果は絶大ですね。
また、電気工事なども同様です。
水車発電機などのコアな部分はメーカーさんにお任せした方が良いですが、その他のできる部分は地域の電気屋さん(OBさん)にご協力お願い です。
正に、手作りの復活!
その様なことで、今後も「東吉野」の取り組みを見守り・応援したいと思いますし、再度のご依頼があればご支援したいと考えております。
(ここの地点も商売は度外視しておりますね:笑)