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私の源流Pickup

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少し若い頃、この小水力発電所の設計を行いました。
最大出力150kW。最大使用水量毎秒2.30m3/s。有効落差約8m。

小さい発電所ですが、とても思いで深いものがあります。

当時、白川村さんから設計を受託し、設計課長?(担当でしたが)としてプランニングした中で、一番の問題が「総落差」が分らない ってことでした。
これは、小水力計画上での致命傷でしたから、確実な総落差を測定する必要があります。測量会社に委託すれば簡単なのですが、そんな予算もなかったので、久々に直営にて水準測量を行うことにしたのです。

若い社員と二人で数時間かけてやっと総落差を測量することが出来ました。(正直、入社研修以来)
そのデータがこの発電所の設計に生きています!

もう一つの思い出です。
設計の話ですが、最大使用水量に対して落差が小さいので同時流行の「水中タービン水車」を採用することに。
導水路長は約200mあり、水中ダービン水車まで圧力導水路で導く必要がありました。水路勾配が10/200=1/20です。
通常は、鋼鉄の水圧鉄管で導水するのですが、なにせコストが高い!
いろいろ悩んだ末、コストが一番安いRCコンクリート製ボックスカルバートの圧力導水路トンネル案を採用することに。
今も思いますが、このような現場打BOXカルバートの圧力導水路は、水力発電所では滅多に無いのではないかと思います。

設計委託の報告を終えてから異動してしまったので建設工事には立ち会えませんでしたが、今も白川村さまの管理下で無事に稼働しているようです。

なお、後任に聞いたところ、水車は当初計画のイームル社製水中タービン水車からもっと発電領域(無負荷流量)の広いもの(富士マイクロチューブラ水車)に変更したとのことです。

当時からすでに技術革新が進んでいたのです。

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