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導水路の設計パート-1Pickup

 流れ込み式の水力発電所では、取水堰堤の取水口より取水後、沈砂池を経由して無圧水路にて下流の水槽(ヘッドタンク)まで導水するのが導水路の役目です。

 導水路の種類でNEFの積算手引きで定義されているのは、トンネルでは「幌型全巻」「幌型NATM」「馬蹄形全巻」があります。
 その他には、「暗渠」「開渠」があります。
 トンネル系で重要なのは地質です。
 トンネルを掘削して行くと、非常に堅固な部分や少し軟弱、破砕部など変化しますので、それに応じて種類を変更して施工します。
 堅固な岩盤向きの「NATM工法」は「New Austrian Tunneling Method」と言い、昔オーストリアで開発された工法です。
 主に山岳部におけるトンネル工法のひとつで、掘削部分にコンクリートを吹き付けた後、岩盤とコンクリートとを固定するロックボルトと言う鋼棒を岩盤奥深くにまで打ち込み地山と一体化させトンネルを保持する工法です。
 掘削面にコンクリートを吹き付けるだけなのでコストが安く施工時間も短縮されますね。
 全巻とは文字通り、鉄筋・型枠を組んでコンクリートを流し込み強化するため、コスト・時間とも掛かります。
 幌型と馬蹄形はトンネルの断面形状の違いです。
 水理特性は馬蹄形が良いのですが、現在では単純形状の幌型が多いと思います。
 暗渠や開渠は明り部の地山で鉄筋コンクリートで施工されます。
 暗渠は土砂や塵芥が流入する虞がある部分に施工されます。

 「つくばね発電所」の無圧導水路にはポリエチレン管暗渠を導水路に採用しました。
 軽量かつ価格が安いのと粗度係数がコンクリートより良好なので水理特性が良いことが採用理由です。
 
 今回はこれくらいで。

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