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水圧管路の設計 パート-7Pickup

 小水力の水圧管は道路埋設がスタンダードです。
 道路には林道や市道、私道、県道があります。
 国道埋設は基準が高く私の記憶では鹿児島県の1地点のみです。

 しかし、道路は平面的かつ縦断的な変化が複雑なので、水圧管の埋設線形にはとても時間が掛かります。
 何故かと言うと、FRPM管やダクタイル鋳鉄管は単管(最長で6m)毎の振り角度が2°程度(内径0.40mの事例)なので、なかなか道路線形の変化に対応できないのです。
 道路の敷地をオーバーすると基本アウトですから、敷地内に収まるように線形を決めます。
 この時に問題なのは前述の「振り角」の制約です。
 水圧管の水密性能を確保するためには、この制約を守らないといけません。
 大切なのは、「振り角」は2Dの合成角度であるってことです。
 こらゃまた設計者の苦労させます。
 なので、弊社では平面振り角と縦断振り角は同時発生させないように配管設計をしています。
 2D設計をやろうと思えば合成角度(コンバインドインターアングル)を計算できますが、何か所もあるので対応できませんわ。。。(その分フィー貰えれば考えても良いですが。。)

 以前設計した群馬県西俣沢小水力では、1D設計で納入しました。
 要するに、平面曲りと縦断曲りは同時発生しないようにしたと言うことです。
 これでもしんどい設計でしたが、竣工後に施工責任者に伺ったら施工し易くて良い設計でしたすよー とのことでした。 良かったな! と思いましたがその時に考えていたのはもう少し簡易化出来る設計でした。

 そこで考えたのは平面的には直線とし、縦断変化のみ対応する線形設計です。
 某所で実践してみて設計作業の軽減化が図れました。
 
 ところが、ベント管が増えてしまいコスト増につながるとの指摘がありました。
 
 これへの対応も試練と言うか設計最適化への課題ですね。
 真摯に対応したいと考えます。

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