ピックアップPickup一覧

ホーム > ピックアップ > 余水路の設計

余水路の設計Pickup

 余水路とは沈砂池や水槽から発電停止時の余剰水を河川まで送る水路のことです。
 河川までの距離や落差が高い場合、特段の配慮が必要です。

 一番の注意点は安全に河川まで送ることです。
 
 安全に とは?

 河川までの落差が高い場合、余水路の流下速度が高くなります。
 毎秒数十mに達する場合も。
 それをそのまま河川に流すと、どうなる?
 河岸が浸食されて余水路本体の安定性や濁水が発生するなどの環境問題、そして流量が多い地点は河川立ち入り者(釣り人や観光者など)が流されてしまい人命にまで関ります。
 最悪、企業の社会的地位が問われる虞がある。

 電力会社ではそこも重要視します。

 では、どう対策する?

 余水路の出口に、減勢工 を設置します。
 要に、水流の勢いを殺すのですね。

 緩やかに河川へ余水吐放流するのです。

 減勢工の構造には色々と種類がありますが、小水力ではほぼ毎秒1m3/s以下の水量ですがら、一般的な「副ダム付き水平水叩き式減勢工」 として設計します。

 要するに出口に堰を設けて水をブチ当てて勢いを殺すんです。
 そして緩やかに放流します。

 水理計算のやりかたは、水理公式集にありますので省略します。

 斜面に設置する場合、安定性が問題です。
 余水路が滑動してしまう。

 土とコンクリートの摩擦係数が耐えきれなくなると滑ります。
 
 杭や深礎にすれば解決出来ますが、小水力では事業性的に無理ですね。。。
 なので、斜面の水路部分の滑動力を下部の減勢池で支えるように設計します。
 下で上を支える ってことですね。

 これは、水圧管路にも応用します。

 構造的には、U型水路として計算するくらいで簡単です。

 いままで、余水路のある地点は2~3地点くらいです。
 こういうのがあると設計も面白いですよ。

このページのトップへ