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水圧管路の設計 パート-1Pickup

 私は関西電力に勤務していた時代に水圧管路の設計も担当していました。
 既設の水圧鉄管の取替工事や維持流量放流設備用の水圧管路の設計などです。
 その時代の素材は「鉄管」でしたね。
 当時の技術基準で認められていたのは「鉄管:鋼管含む」と「FRP(M)管」でしょうか。ポリエチレン管については当時の基準では無かったと思います。
 現在ではいろいろな素材がありますね。

 小水力発電所では導水路や導水路トンネルを省略して道路に埋設した水圧管路にて発電所まで導水する形がコスト的にも有利だと思います。

 導水路やそのトンネルを構築するには多大なコストが掛かることは仕方ないのですが、1000KWクラスの小水力になると、地形的制約やその長さにもよりますがペイ出来る地点もあります。(レアケースですが。。)

 しかし一般的な小水力では地山を切り開いた導水路やトンネルでは用地調達や工事コスト面からして事業化困難であるため、取水口直下に設置した水槽(ヘッドタンク)から水圧管路にて既設道路に埋設し発電所まで導水するケースが最適だと考えられます。

 サコダが着目しているのはどの素材が最適なのかです。
 水圧管の候補には以下があります。
 ・鉄管(STPYなどの市販の鋼管やオーダーのローリング材など)
 ・FRP(M)管
 ・ダクタイル鋳鉄管(いわゆる上水道管です)
 ・ポリエチレン管

 コスト的に優位性で絞れるのはFRPMとポリ管でしょう。
 一方、設計内圧に対しては双方とも基本的に1.3Mpaまでなので水撃圧を考慮すると総落差100m程度のまでの落差しか対応していません。
 なので総落差が100m以上となると、鉄管かダクタイル鋳鉄管を採用せざるおえませんね。
 鉄管の場合、かなりの水圧に対応可能だと思いますが。。。
 ではどちらか?やはりダクタイル鋳鉄管でしょうか。
 鉄管の場合は現地溶接が発生するためコストと工期が掛かります。
 溶接を舐めてはいけません。JISやWESの1級資格を持った方達の作業ですからね。一方、ダクタイル鋳鉄管はフランジ接合のため現地施工が容易ですから。

 総論すると、現地それぞれの判断です(汗)

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