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水圧管ドレーン設備の設計Pickup

 今回は水圧管のドレーン設備の設計についてです。
 ひとつ間違うと困ったことになります。

 鉄管設備は、排水バルブと排水管の単純構造ですね。
 いわゆる「鉄管ドレーン」と言いますが、排水性能によっては抜水時間が長時間かかるとその後の作業待ちが発生します。

 排水性能については、特段規定はありません。
 なので、設計者の経験値によります。
 
 まず、どれくらいの時間で排水するかです。
 私の場合、心がけるのは時間よりも負圧が生じないような抜き方ですね。
 急激に排水すると空気の供給が追い付かず負圧が発生する可能性があります。
 まぁ、水圧管路の構造にもよりますが、空気弁や空気管があるとその能力以下にしないといけません。
 なので、数時間から精々半日以下といったところです。

 水圧管径が大きく延長も長いと排水容量が多くなります。
 容量を計算して排水バルブの排水量で割り算すれば、排水時間が決まります。
 
 問題?はここからです。

 排水バルブの排水量の計算は、

 Q=C・A・√2・.g・He ですね。

  C:流量係数0.90
  A:通水面積
  He:有効落差 です。

 ここで考えるのは、He です。
 バルブのヘッドですが、これを支配するのは排水管のロスヘッドです。
 
 バルブは全開操作が基本です。
 全開すると排出されるところまで圧力管状態になります。
 水道の蛇口のようなものです。
 なので、そこの損失水頭をバルブの静落差から引いてやる必要があります。
 損失水頭が大きくなると有効落差が減って排水時間が掛かりますので、出来るだけ排水管の延長は少なくなるような設計にします。
 と言っても、排水する放水庭までは数mはありますね。
 ここで、排水バルブと排水管の径をトライアルして目標の排水時間に近づけます。
 
 ここで、問題は、
 
 静落差は排水に伴い少なくなってくることです。
 なので、最初の静落差で計算したQは最終的には 0m3/s になる。
 Qは管路の延長や勾配で微妙に変化します
 ですから、私は単純に計算値の2倍の排水時間にしています。

 関電で担当したドレーンはφ500mmくらいでしたね。
 いま考えると巨大なドレーンだったと思います。。。

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