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チロル取水工の設計-3Pickup

 今回はチロル内部の掃流力の計算方法についてです。
 このブログは素人さん向けなので専門家にはご容赦をば。

 水路の限界掃流力は水理公式集第4章2-4.12式より求めます。
 u*c2=80.9d です。
  ここに u*c2:限界掃流力 cm-s
        d:砂礫の平均粒径(0.3030cm≦d の場合)→粒径により変化するので注意。弊社ではd=1cmにします。

 限界掃流力が当該チロルの掃流力以上あれば、流れる(掃流される)ハズ。

 掃流力は、

 τ=ρgRIe
  ここに ρ:水の密度(1)
      g:重力の加速度(980cm/s2)
      R:径深(cm)
      Ie:エネルギー勾配=水路勾配

 計算はチョー簡単。
 
 でもチロルも奥深いです。
 肝は、RとIe です。

 R:径深はA/S Aは通水断面積、Sは潤辺
 このRが小さくなると流れにくくなります。
 一方、Ie:水路勾配を急にすれば良く流れますね。

 でも水路勾配を急にすると損失落差が増えてしまいます。
 要するに、沈砂池・水槽水位の基準水位が低くなり、有効落差が低下する。
 なので、水路勾配を出来る限り抑えつつ最適な径深に設定することが キモ!

 では径深を出来るだけ大きくして掃流し易くする設計は?

 そう、試行錯誤の上水理的に理想的とされる 台形断面か部分的矩形断面(四角) にたどり着きました。

 関電では多分無いです。見てない。

 狭いチロルを台形にするには、まず上下流幅を1mは欲しいです。
 相撲取りは無理ですが、普通の体形ならOK!
 足元も確保できますね。
 
 この設計で増える有効落差は十数cm程度ですが、小水力では貴重ですねー。

 この発想は以前沈砂池の掃流力を検討した際の応用編です。
 チロルにも応用しています。

 現在設計しているチロルは砂防ダム利用で、水通し幅20mなので出来るだけ水路勾配を緩くして損失落差の低下を抑えたい と。

 一生勉強ですね(笑)

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