ピックアップPickup一覧

ホーム > ピックアップ > 水圧管路の実施設計

水圧管路の実施設計Pickup

 この地点は一級河川かつ自然公園第二種特別地域と難易度の高い地点の一つです。
 真面目に水利権を取得してかつ自然公園と共存して行こうとする事業者さんはご立派ですね。
 他の某事業者さんはこう言った地点には尻込みして安易な普通河川優先の開発姿勢ですが、もう少し考え直しても良いかも知れません。
 無論、一級かつ自然公園内となれば、河川維持流量を流す義務が発生するため、決して事業性が良いとは言えません。
 まぁ、一発目の発電所なので事業性がそんなに良くなくとも良しとされているのか。。。

 規模は最大Q=0.18m3/s前後、最大200KW程度です。
 小水力スタンダードの道路埋設型の流れ込み式発電所ですね。

 延長約1.1kmの水圧管は「高密度ポリエチレン管」を採用します。
 最大設計水圧は1.5チョイMpaなので、SDR11がギリギリ採用可能です。
 某〇モトポリマーさんのご協力を得る予定です。

 水圧管材料については以前にもUPしていますが、FRPMの欠陥的な問題があり、安全・安心なポリ管にしました。

 ポリ管のいいところは柔軟性とシームレスです。
 平面的かつ縦断的な勾配変化に追従できる柔軟さがあります。
 これによってベント管を省略して、いわゆる「生曲げ」で配管するので大幅なコストダウンが可能です。無論、スラストブロックも省略できますね。

 また、継手が無い(シームレス)ので、例えば埋設している道路が崩れた時でも継手が無く一体化しているので、水圧管が脱落することはなく噴水などの虞はありませんね。

 それと、設計上の応用幅が広いです。
 一例として地山法面への水圧管の配置計画です。
 管材料はFRPM管、ダクタイル鋳鉄管、JIS鋼管、ポリ管などあります。
 通常ですと地山法面など傾斜のあるところだと、露出配管して基礎を小支台で支持する構造にします。当然、小支台のコストが増えます。
 一方、ポリ管は露出配管が苦手です。温度膨張が多いため温度変化が低い土中埋設が望まれますね。
 
 では、どの管材料でも土中埋設は可能なのですが、問題となるのは「土中埋設管の滑動」という現象です。
 農水省の資料では土中埋設されていても傾斜角が11°を超えると土中滑動を起こして危険なので、コンクリート巻きにするなどの対策が必要らしいです。
 未だに11°以上で土中で滑動すると言う理屈・理論には納得が行きませんが、何故、土中滑動すると危険なのかというと、5~6mの単管が変動により継手が外れて水が噴き出すからだそうです。
 これはとんでもないことですね。大災害に発展しますわ。。。

 ポリ管は溶着なので「シームレス:継手なし」であり、単管継手が外れる現象は発生しません。
 だから安心・安全です。

 現在、実施設計中ですが、線形設計含めてラクチンです。

このページのトップへ