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発電電力量の計算方法Pickup

発電電力量の計算は慎重に行う必要があります。
特に概略検討段階では、メーカーの支援もなくコンサルの技量が問われると考えています。
ええ加減な計算方法で出した発電量で評価した事業性は後々事業者さんを含めてえっ?何故少ないの って感じて責任・原因追及が発生しますね。

ええ加減な方法とは?
 よく見かけるのが、年間365日をある期間に区切って使用流量を設定して行っているやり方。それと水車発電機の総合効率を使用水量に応じて変動させずに最高効率で計算しているやり方でしょうか。
このやり方では、全てがアバウトですね。

弊社では、まず過去10年分のデータで以って流況カーブを作成してその地点の流況を把握します。(10年間無い場合は要調整)
発電量は、そのデータを基にしてそこから維持流量や灌漑水量を差し引いた実流量で以って計算することになります。
なので、データ数は365日×10年間=3650 ですね。それの年間平均値が期待値とする「年間可能発電電力量」として提示されます。

もう一つ大切なのが「水車発電機総合効率:μ」ですね。

水車と発電機の総合効率は、水車効率と発電機効率の掛け算です。
この計算方法はちょいと複雑なので省略しますが、「胆」は使用流量比に応じた総合効率を推定してそれを発電量の計算(3650dの)に反映することです。

水力発電所の出力の理論計算式は
P=9.8・Q・H・μ ですね。 単純なのですが、もう一つ「胆」があります。
H:有効落差 と言います。
有効落差=総落差-損失落差 なので損失落差の多寡によって変動します。
損失落差は、使用水量によって変動します。
何故か?と言うと、使用水量が多ければ多いほど水圧管との摩擦損失などのロスが発生し「最大有効落差」に近づき、少なけれ少ないほど「総落差」に近づくからです。

弊社では概略検討レベルと言えでも、使用水量ごとの損失落差を推定して発電量の計算を行っています。
こういった作業で以って「年間可能発電電力量」を計算している訳です。
専門家に言わすと「何を今更」と言われそうですが、水力発電の知識が無い方に是非知って頂きたいと思います。

次回は「イニシャルコストの計算方法」についてでもご紹介します???

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