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小水力の適地 パート-2Pickup

 固定価格買取制度では中小水力は3万kW以下で買取価格を設定していますが、この規模の地点は既に電力会社などに開発されており非常に少ないです。
 この規模の発電所のイメージ諸元ですが、私が関電勤務時代に携わった「美濃川合発電所」は、最大出力23,400kW、最大使用水量220m3/s、有効落差12.36mでした。
 この発電所は典型的な低落差・大水量型です。
 毎秒220tもの大水量が可能だったのは、木曽川の最下流に位置し、流域面積はなんと4,632km2と広大であったからです。
 今渡ダムには従前より「今渡発電所:最大使用水量200m3/s」が設置されていましたが、流況が良いことから美濃川合発電所を増設開発した訳です。
 
 「流況が良い」とは無論流域面積が広いことですが、その地域の降水量に支配されます。
 その比率は「比流量」で判断します。
 比流量とは、100km2当りの流出量ですね。
 豊水量(95d)・平水量(185d)・低水量(275d)・渇水量(355d)のれそれぞれの比流量を判断材料にします。
 例えば富山県や新潟県などの北陸地方の日本海側の降雪量が多い地域と関西地方の比流量は約半分です。
 美濃川合発電所のある木曽川流域は関西地方よりとても良く北陸地方よりは少し悪い程度の流況です。
 
 最大出力は単純に言うとこの比流量と落差に支配されます。
 しかし電力会社などによる開発が進んだ現在での大規模水力の包蔵規模は約2~5千kW程度ですが、全国にはまだまだ存在していますので、ご用命があれば紹介したいと考えています。

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