サコダ小水力設計は、小水力発電コンサルタントとしてエコで自然に優しい小水力発電への関心が高まる中、導入に際しての技術検討や複雑な法規制のしくみなどに戸惑い、足踏みされている方々からのご依頼に応じて、小水力導入に際しての基本設計や事業性評価を行い、最適な小水力発電施設導入のご提案を致します。FIT制度もいつまで続くのか分りません。事業者は決断する時です。
滋賀県甲賀市の神山区には、かって最大出力100kWの発電所がありましたが、昭和28年の水害により被害を受け復活されぬまま廃止された歴史があります。
神山区の方々は、この廃止発電所の存在はご存じの様でしたが、それ以前に旧発電所付近にある「鶏鳴の滝」の保全活動を「神山いい顔づくり委員会」を主体として活動されており、何より地域にある自然環境を守り続ける意識をお持ちの地域であると見受けられました。
私はこの旧発電所の復活・再生への可能性を地域の方々へご提案した結果、一度小水力現場の見学を行いたい とのことで、今回の吉野町小水力利用推進協議会および生駒市営山崎浄水場の小水力施設見学会を企画致しました。
この見学会は、吉野町小水力利用推進協議会および関西広域小水力利用推進協議会メンバーならびに生駒市さまのご協力を得て行いました。
最初に生駒市の40kWのポンプ逆転水車施設を見学させて頂きました。
今年3月に完成した発電施設で、発電した電力はFIT制度を活用し全量を関西電力へ売電し生駒市が運用している公共の施設です。
事業費1.4億円。毎月約百万円・年間12百万円の売上げがあり、20年間で約8千万円の純利益があるとのことで、利益の一部を小水力PR活動などに活用されているとのことでした。
ここは技術的にも完成された最新の小水力発電施設で、安定した上水道の水量および水圧を利用したもので、建屋や機器もピカピカであり最先端の小水力施設だと言えます。
皆さんは初めて見る最新の小水力発電施設を熱心に見学されていました。
次の見学先は、吉野町の小名地区のマイクロ発電です。
ここは、生駒市とは異なり地域の住民が地域の問題意識を具体的に解決しようとして取り組まれたものです。
発電規模は、数ワットとキロワットにも満たないものですが、小水力による発電に何ら変わりありません。
地域の災害時や停電時の非常用電源としての活用、お年寄りが殆どの地域の実態。開拓として入った歴史と過疎化が進む現住12戸。冬季の関西電力の無情な停電への備え など切実な実態 などなど。
この両極端と言える小水力の活用方法。
今回の見学会を企画して改めて、この両極を神山区の方々に見て頂いて本当に良かったと思います。
神山区には豊富な水をもとにした環境や先人たちの水力遺産が存在しており、今日見た事実をどのように咀嚼して自分たちの街づくりをされて行くのか。
今後も見守りたいと思いますが、どうやら私の仕事はこれにて一旦終わりですね(笑)
見学会にご協力して頂いた関水協メンバー、生駒市の関係者の皆様、ありがとうございました。
上の写真は、生駒市山崎浄水場小水力の見学状況。
下の写真は、吉野町での会合状況です。